家づくり記録 Tさん

NO.8

 

 金額も予算を超過したものの、なんとか折り合いがついて契約に入ります。 設計内容、工事金額は予めネゴが出来ていたため、契約の段階では揉めること無くスムーズに進みました。
 工事請負契約は久米さんの事務所で行う事に。 実印を多数押印しましたが、この一瞬は「さて、これでもう後には引けんぞ」と覚悟が。 今さら、と思われるかもしれませんが、やっぱりそういう気持ちにはなるものです。
     
 契約を終えると、次は地鎮祭。近所の神社に依頼して当日を迎えます。
 宮司さんには暑いさなか申し訳なかったのですが、真夏とはいえ意外と涼しい天気になり良かった。 鋤を入れたり鍬を入れるときなど、久米さんも工務店の方も宮司さんも「エイッ!」としっかりお声をかけて頂き、とても厳かな気分になりました。
 写真をもっと取っとけばよかったな、と今思います。
   
 当日、ハプニングも少し。
 式の直前、工務店の社長のズボンのお尻がキレイに破れたそうで、腰にタオルを引っ掛けてました。(笑) いや、笑っちゃいけない笑っちゃいけない・・・。
 また、式の後に荷物を撤収する際、トラックの荷台に積もうと敷地内に車を入れようとしたのですが、家の周辺を取り囲む排水溝のグレーチングをちょうど置いて無い箇所にタイヤがはまって抜けなくなり、工務店の皆さん総出で何とか車を移動すべくジャッキアップしたり牽引を試みようとしたり。
 たまたま現地を通りかかったウチのチビの幼稚園仲間のお父さんにも手伝ってもらったりして、どうにかこうにかトラック脱出成功。
 こんなちょっとした出来事も思い出になるんでしょうね、なかなか良い一日でした。
 皆さんからご祝儀のお酒を頂戴したことも、この場をお借りして御礼申し上げます。
 ありがとうございました。

      
 さて、いよいよ工事が始まります。
 地盤改良から始まって基礎工事に入っていきます。
 平日は会社がありますので工事の様子は見えないのですが、一定期間ごとに久米さんから工事監理の状況報告メールが届きます。 写真付きで。 これが楽しい。
 そして仕事が終わって帰宅すると、家にはすぐに戻らずまっすぐに現地へ行き、暗がりの中で現場の様子を眺めるのが日課になりました。
    
 「へぇ、杭はこんな感じになるんやなぁ」
 「ほう、基礎の高さって結構あるんやなぁ」
 「ふむ、道路と基礎の間の距離はこんな感じか」
  
 毎日毎日、少しずつ出来あがっていくのはとても嬉しく楽しい。
 毎晩ニヤニヤしてます。 ご近所さんに怪しまれないようにこっそり。
 休みの日には1hくらいボーっといろんな角度から眺めてる事もあります。
      
 ご近所さんにも良く声をかけてもらいます。「たまに見てるけど、昼間もすごいしっかり仕事してはるよ。ええ工務店さんにあたったねぇ」とか、「すごいガッチリした基礎やねぇ、ええ家建つわ、楽しみやねぇ」とか。
     
 根が単純なのでこういう話は素直に聞きます。
      
 日に日に家の全容が見えてくると、毎日真夏の猛暑の中で汗水流して働いて下さっている皆さんにこんな言い方は申し訳ないかもしれませんが、「ん~、楽しい~♪」
     
 そんなこんなで、もうすぐ棟上げです。

 

久米から一言… 

 

現場が始まると、どなたも嬉しいもですね。(私も嬉しい)

 

工事監理報告書は、法定では工事の完了したときにこれまでのことをまとめてご報告、ということになっていますが、半年近くに及ぶ工事期間のできごとを一度にはとても無理。

それに、建築主さんは進行中が一番気になるものでしょうから、何回かの工事監理の内容をまとめ、その都度、現場の様子の写真と合わせ、建築主の方にお送りしています。

 

先日、Tさんの現場は上棟を終え、徐々に建物らしくなっていっています。

 

- GekkanNZ 誌 2018年7月号より
  「建築探訪」連載中です。

 (記事はこちら)

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- 一般社団法人海外建設協会(OCAJI)

  会報誌 海外生活だより に寄稿させ

  ていただきました。

 (記事はこちら)